昨年の3月には2万円を切る日が多かった日経平均株価が、現在は3万円前後で推移しています。相場が好転したことで、「運用を始めたい」と考える方も増えています。ただし、運用したい気持ちはあっても、運用商品の選定が難しいなど、高いハードルもあります。そのような場合、ロボアドバイザーを利用して、投資に参加する方法もあります。
ロボアドバイザーは、人工知能であるAIの力を使い、利用者のニーズを踏まえながら、全自動で運用をおこなう方法です。運用の目的や保有資産額、運用期間などの質問に答えると、運用先を決めてくれたり、運用商品のバランスが悪くなってきたら、バランスを修正してくれたりします。
ロボアドバイザーの仕組みは、楽天証券、マネックス証券、松井証券などで利用できますが、運用のすべてをロボアドバイザーでおこなうウェルスナビという会社もあります。ウェルスナビでの運用は、スマートフォンだけで、申し込みから運用商品の購入、積立額の変更、出金といったほとんどの手続きがおこなえます。
最低投資金額は10万円。毎月1万円以上の積み立ても可能で、手数料は1%です。自分で銘柄選択をおこなえば、1%を切る運用商品もありますが、銘柄選定や組み換えなどのすべてをお任せするための手数料ととらえるのが適当でしょう。
ウェルスナビでは先月、「おまかせNISA」という仕組みを導入しました。これは少額投資非課税制度であるNISAの非課税枠(年間120万円)を利用しながら、積み立てなどで運用する仕組みです。投資先は約50カ国で、1万1千銘柄に分散されています。NISAの非課税枠の管理も自動でおこなってくれます。
NISA口座は1人1口座しか持てないため、すでに今年、NISA口座で運用商品を購入した人は、来年にならないと別機関でのNISAは利用できません。しかし、他機関でNISA口座を開設していても、今年はまだ、その口座で購入していなければ、おまかせNISAを利用できます。(ファイナンシャルプランナー 畠中雅子)