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花見で感染拡大警戒、宴会禁止に嘆き節 都心で桜開花

 東京都心で桜が開花した。本格的な花見シーズンを迎えることになるが、昨年は花見での警戒の緩みなどから新型コロナウイルスの感染が拡大したとされる。都は早々に花見期間中は都立公園で宴会、シートを広げての飲食を禁止する対策を打ち出した。花見を心待ちにしていた人々からは「仕方ない」「もう、うんざり」との声が上がる。

 東京都心の桜の開花は14日に気象庁が発表。観測史上最も早かった昨年と同じ開花日で、平年より12日早い。日本気象協会によると、23日に満開になると予想されている。

 昨年は3月の3連休で、花見などで人の流れが活発になり感染者が急増。4月に緊急事態宣言が発令された経緯がある。感染再拡大を警戒する都では花見シーズンが本格化する前の今月5日には飲食を伴う花見の自粛を要請した。

 さらに都立公園については宴会、シートを広げての飲食を禁止するとし、例年、多くの花見客が訪れるエリアの立ち入りを制限するとした。

 普段ならば花見期間中に約350万人でにぎわう桜の名所、都立上野恩賜公園では2月下旬から密集を避けるために片側通行にする対策が講じられており、今月、桜周辺の立ち入りを防ぐネットを約2キロにわたって設置。花見客は歩きながら桜を楽しむことになる。

 上野公園を訪れた東京都江戸川区の鉄道関連会社作業員、松川正道さん(71)は「今年こそは、仲間と花見を楽しんで盛り上がりたかったが、仕方がない。今回も1人で桜を見て春を感じるしかない」と声を落とした。

 例年は花見客の宿泊や関連イベントでにぎわう「ホテルエミット上野」(東京都台東区)支配人の福本隆さん(71)は「いつまでたっても先が見通せず、もう、うんざりだ」とし、早期の感染収束に向けた強い措置を求める。

 同様に緊急事態宣言が続く神奈川県も宴会を伴う花見の自粛を要請した。横浜市の桜の名所として知られる大岡川で、船上から楽しめるクルージングを運航する「京浜フェリーボート」(横浜市)では例年に比べて予約が伸び悩んでいるという。

 担当者は「宣言解除後に予約数が増えることを期待しているが、そのまま桜が散ってしまうかもしれない。この先のことは、じたばたしても仕方ないと思う」と話していた。(植木裕香子)

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