確定申告が始まりました。従来、確定申告の申告期限は3月15日なのですが、今年は新型コロナウイルスの影響で、申告会場が「密」にならないための措置として、申告期限が4月15日に延長されています。また、今年申告する分から控除額が改正されていますので、今年の確定申告は例年とは違う注意が必要です。
控除額で多くの人に関係する改正は、基礎控除が38万円から48万円に引き上げられたこと。控除額が増えると、課税される所得を下げられますので、収める税金を少なくできます。ただし、合計所得金額が2400万円を超えると基礎控除額が減り始め、2500万円を超える方は基礎控除がなくなります。
基礎控除額が引き上げられた一方で、給与所得控除や公的年金控除は引き下げられています。会社員やパートで給与所得控除が適用される方は、給与所得控除の下限が65万円から55万円へと、10万円引き下げられています。同時に、上限も195万円に引き下げられました。その結果、年収が850万円を超える人は増税になる可能性が高くなっています。
公的年金控除の下限は120万円から110万円へと、10万円引き下げられました(65歳以上の場合)。合計所得金額が多い方に適用される控除の上限も引き下げられたため、増税の可能性があります。
基礎控除が10万円アップしても、給与所得控除や公的年金控除が10万円下がったことで、「基礎控除と給与所得控除」「基礎控除と公的年金控除」が適用される方の控除額は、プラスマイナスゼロに。ただし、給与所得控除と関係のない自営業者やフリーランサーなどは、基礎控除額がアップする恩恵を受けられそうです。
住民税も基礎控除が33万円から43万円に引き上げられるなど、各種の控除額が変更になっています。控除額の改正で、納税額が変化する可能性がありますので、申告する方はもちろん、会社員の方も源泉徴収票をきちんと確認してみましょう。
(ファイナンシャルプランナー 畠中雅子)