【ワシントン=住井亨介】米食品医薬品局(FDA)は15日、米バイオ企業モデルナが開発した新型コロナウイルスのワクチンについて、有効性や安全性に問題がないとする評価書を公表した。FDAが週内にも緊急使用を許可する可能性が高まった。
評価書は、ワクチンによる予防効果は94・5%だとし、「特に安全上の懸念はなかった」と結論付けた。モデルナの発表をFDAが裏付けた形だ。
副作用では接種部位の痛み、倦怠(けんたい)感、頭痛などがみられたものの、深刻なものはほとんどなかったとしている。被験者の年齢や性別、人種などで効果に差はなかった。
FDAは17日に外部の有識者による諮問委員会を開き、同評価書などを基に緊急使用の是非を協議する。
モデルナのワクチンは米製薬大手ファイザーなどが開発し、すでに米国で接種が始まったワクチンと同タイプ。「メッセンジャーRNA(mRNA)」というウイルスの遺伝情報を伝える物質を投与するもので、2回の接種が必要だ。
同社は来年、5億~10億回分を製造する見込みで、日本政府とは、5千万回分(2500万人分)を供給することで合意している。