新型コロナウイルスに翻弄され続けた2020年。家計収支も例年とは異なるご家庭が多いはずです。今までは年間収支を集計していないご家庭でも、今年は家計の総決算をして、2020年の貯蓄の実態をつかんでおくことをおすすめします。
たとえば昨年1年間で、100万円くらいの貯蓄ができたとします。それなのに今年は50万円しかできなかった、あるいは貯蓄がまったくできなかった場合は、家計予算の見直しが必要です。予算を立て直さないと、この先も貯蓄しづらい状況が続いてしまうからです。
逆に、外出の機会が減って、貯蓄が増えたご家庭もあるはずです。「毎夏の海外旅行を今年はコロナの影響で取りやめた」「ライブが趣味だったのに、今年はほとんど行けなかった」「友人・知人との会食の回数が大幅に減った」「外出する機会が減ったので、被服費がかなり減った」など、教養娯楽費、交際費、被服費の減少で、貯蓄が増えているかもしれません。
コロナが家計に与える影響は来年以降も続くはず。2020年の家計の実態をつかんでおけば、来年以降の家計の参考にできるはずです。家計簿をつけていない場合は、「12月の残高の差額」で、貯蓄額をつかむ方法もあります。
具体的には、通帳を見て昨年12月の貯蓄残高の合計額を調べ、ネットにアクセスして昨年12月の運用資産の残高(当時の時価)を調べてみてください。同じように、今月の貯蓄残高や運用資産の残高(現在の時価)を調べて、1年前と今の残高を比較するのです。貯蓄と運用資産の残高の差額が、1年間で増えた金額、あるいは減った金額になります。
家計簿で総決算をするのは大変ですが、残高の比較なら1~2時間で、1年間の残高の変動がつかめます。増えた金額が年収の10~15%程度あれば、家計予算は今のままでOKです。増えた金額が年収の10%未満だったり、減ったりしている場合は、来年1月からの家計予算の見直しが必要になります。(ファイナンシャルプランナー 畠中雅子)