Q よく理解できました。いまのホルモン療法はどのくらいの期間、続けるものなのですか。
A 最初の乳がんの手術後はタモシキフェンを5年間服用したのですね。今回のレトロゾールも、5年以上服用することになります。10年間という話もありますが、それはまた5年後の状況をみて考えるのでよいかと思います。
Q 今後、再々発のリスクはどのくらいありますか。
A 再々発の可能性はゼロではありませんが、可能性を下げるためにできることはすべてやっているわけですので、再々発のことは考えすぎないのがよいと思います。
(構成 大家俊夫)
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回答は、がん研有明病院乳腺内科部長、高野利実医師が担当しました。
「がん電話相談」(がん研究会、アフラック、産経新聞社の協力)は毎週月~木(祝日除く)午前11時~午後3時に受け付けます。03・5531・0110、無料。相談は在宅勤務でカウンセラーが受け付けます。相談内容を医師が検討し、産経紙面やデジタル版に匿名で掲載されることがあります。個人情報は厳守します。
【ミニ解説】
今回の相談者のように医師から提示された治療法で迷いが生じるケースは少なくない。高野医師は「がんという病気と向き合い、数ある選択肢から治療方針を決めるのは容易ではありませんが、担当医に言われるままに治療を受けるのではなく、自分で納得して選択することが重要です」とし、以下のようなコツを伝えた。
(1)自分が大切にしていることを伝え、治療目標を担当医と共有する
(2)各選択肢について、治療目標に近づくというプラス面がどれくらいあるのか、副作用などのマイナス面がどれくらいあるのか、説明を聞く
(3)プラスとマイナスのバランスについて医師の意見を聞き、自分の考えも伝えて、納得できるまで話し合う