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新型コロナ第3波に懸念、東京の感染抑止がカギか

 北海道や首都圏などで新型コロナウイルスの感染者の増加傾向が鮮明となり、第3波の到来を懸念する声が強まっている。高止まり状態が続いている東京都でも、約2カ月半ぶりに7日間平均の感染者が200人を上回った。これまでも首都圏を中心とした人の往来が全国的な感染拡大につながっており、本格的な冬の到来を前に、東京の感染を抑え込むことが第3波を回避するカギとなりそうだ。

 北海道では9日の新規感染者が200人となり、1日の感染者が初めて200人に達した。札幌市だけで158人を占めており、道と市は繁華街・ススキノで接待を伴う飲食店と、バーやナイトクラブに時短営業を要請している。

 一方、東京都は感染者の7日間平均(2~8日)が201・7人となり、8月23~29日以来で200人を超えた。首都圏でも埼玉県が6日に114人、神奈川県が7日に137人と過去最多の感染者を更新したほか、大阪府、愛知県などの大都市圏でも8月中旬ごろの水準に戻りつつある。

 政府の観光支援事業「Go To トラベル」と各地の感染拡大との因果関係は明確になっていないが、旅行客らの往来が活発化したことが影響しているとの見方は根強い。特に10月に東京都が対象に加わってから全国的に増加傾向に転じており、都内でも旅行や出張帰りの感染者が連日確認されているという。

 東京医科大の濱田篤郎教授(渡航医学)は「すでに第3波は起こり始めていると思う」と指摘。「第2波からの高止まり状態が続く東京から持ち込まれたのがきっかけの一つとなり、気温の低下に伴って北海道などで蔓延している可能性がある」と強調する。

 内閣府の分析によると、7~8月の第2波は都内の歓楽街・歌舞伎町での感染拡大から、都内全域や神奈川、埼玉、千葉の首都圏へ伝播が認められた。東京の感染者数が全国の感染者数に影響を与えた可能性があるという。

 新型コロナ対策を厚生労働省に助言する専門家組織は「首都圏の感染状況が落ち着かないと種火がなくならない」として、特に東京での感染抑止の重要性を強調。濱田氏も「経済優先で自粛緩和の方向に進み過ぎていた部分もある。来春ごろまでは感染拡大と収束を繰り返していくはずで、流行状況に合わせ、規制の方向に戻す必要も出てくる」と話している。

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