SUV時代への挑戦状
スバルの力作、新型レヴォーグがデビューする(10月15日に発表予定)。今回試乗が許されたのはプロトタイプだが、ほぼ市販モデルと思える。細部の熟成も、公道を走れるレベルまで整えられていた。
レヴォーグはスバルのメインモデルだと言っていい。「スバル1000」がデビューした1960年代まで遡るスバルツーリングワゴンの歴史は、今でも連綿と続いているのだ。スバル1000は、4ドアをベースに荷室を広げたバンだった。スバル得意の4WDシステムが強力な悪路走破性を発揮したから、特に雪深い地方の足として生活を支えた。
その魂と役割はのちにレガシィがバトンを握り、レヴォーグに引き継がれることになったのだ。レヴォーグはツーリングワゴン専用車である。
というように、スバルは古くから頑なにツーリングワゴンの歴史を紡いできた。現在はスペース効率の高いクルマの代表格としてSUVがもてはやされていながらも、ツーリングワゴンの火を灯し続けている。今回フルモデルチェンジするレヴォーグからは、SUV時代に対する挑戦状のような、問題提起のような、あるいは復権を企てるかのような息吹を感じた。
搭載するエンジンは、1.8リッター水平対向4気筒ターボに限定されている。かつてラインアップされていた1.6リッターも2リッターもない。潔く絞っているのだ。
それだけにパワーユニットも大幅改良されている。最高出力はわずか7psアップの177psであり、最大トルクは50Nm向上した300Nmである。だが、エンジン全長を短縮させ、クラッシャブルゾーンを確保、低重心化するなど、新開発かと思えるほど熟成されているのだ。