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ポップカルチャーから見た「東京」 国立新美術館で企画展 

 漫画やアニメなど日本のポップカルチャーに描かれてきた「東京」の変化を紹介する企画展「MANGA 都市 TOKYO ニッポンのマンガ・アニメ・ゲーム・特撮 2020」が、東京都港区の国立新美術館で開催中だ。それぞれの時代の風景を鏡のように映し出し、時には現実に影響を与えてきた作品群を通じ、東京という街の光と影を振り返ることができる。

 同展は平成30年にフランスで行われた特別展を、東京で装いを新たに開催。入場してすぐ目に入るのが、1000分の1に縮小された東京の都市模型だ。周囲には「破壊と復興の反復」「東京の日常」「キャラクターVS都市」という主に3つの区分けで、漫画の原画など約550点が展示されている。

 手塚治虫や石ノ森章太郎が描いた江戸の街並み。「はいからさんが通る」を飾った華やかな大正期の帝都。「三丁目の夕日」が活写する戦後の復興期…。現代では「初音ミク」などのキャラクターが街中にあふれ、「君の名は。」など実在の風景を描写した作品も多い。ファンがゆかりの地を訪ね歩く“聖地巡礼”も盛んだ。

 公害や格差など都市の巨大化には影もつきまとう。「こちら葛飾区亀有公園前派出所」など多くの作品は、その中でもたくましく生きる人々を活写してきた。「ゴジラ」シリーズなどで東京の象徴として幾度となく破壊され続けた東京タワーを、創作の視点から振り返るのも趣深い。同館の真住貴子主任研究員は「日本人からしたら見慣れた風景でも、国外の目線から見れば街中に素晴らしい点がある。東京の魅力を再発見してほしい」としている。

 事前予約制。11月3日まで。(本間英士)

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