ヘルスケア

大学寮やシェアハウス…多様化する感染経路 グループ旅行は車中が現場

 新型コロナウイルスの感染状況を分析する東京都のモニタリング会議が13日開催され、シェアハウスや大学の寮で感染が起きていることが報告された。また増加傾向にあるグループ旅行中の感染では車中が現場になった事例もあるとし、感染経路の多様化が鮮明になっている。小池百合子知事は「ウイルスに夏休みはない」と述べ、改めて都民と事業者に感染防止策の徹底を求めた。

 感染状況に関する4段階評価の警戒度を最も高いレベルの「感染が拡大していると思われる」、医療提供体制に関する警戒度を上から2番目の「体制強化が必要であると思われる」にそれぞれ据え置いた。

 4~10日の感染者を年代別にみると、20代が最も多く38・3%で、30代24・8%、40代13・2%と続いた。感染経路は20~30代は会食や職場内、40~50代は同居人や職場内が多くを占めた。一方、70代以上は同居人からが4割を超えた。

 12日時点で病床2400床の使用割合は約7割に上る。その一方で、重症者数は感染第1波の最中は4月下旬は100人を超えたのに対して、最近は20人前後で推移している。

 国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は重症者数の水準が低い背景として「高齢者の感染は家庭内が多い。外での飲食などリスクの高い行動を避けているのではないか」と分析。また、重症者が出る恐れがある医療機関などでの感染事例が第1波と比較して大きなクラスター(感染者集団)になっていないことを挙げ、「こういった施設での対策が功を奏している」と述べた。

 会議では医療機関の負担軽減のため、感染者の症状などに応じて入院、ホテルでの宿泊療養、自宅療養を決めるために統一的な基準を求める声が上がった。小池氏は報道陣の取材に対して「入院かホテルか自宅か、保健所がしっかり判断できる環境づくりが欠かせない。バックアップ体制を整えたい」と語った。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus