著者は語る

相貌心理学者・佐藤ブゾン貴子『人は顔を見れば99%わかる』

 『人は顔を見れば99%わかる フランス発・相貌心理学入門』

 幸せな働き方見つけるために役立つツール

 相貌心理学は、1937年にフランスの臨床学者であり精神科医でもあったルイ・コルマンによって顔と精神(内面)、顔と性格の相互関係を研究対象として作り上げられた学問です。

 拙著では、難解な相貌心理学をビジネスや暮らしの中で誰もが気軽に使えるように、挿絵や写真を使って分かりやすく解説しています。

 相貌心理学は占いではないので「いつ幸せになれる?」といった未来を予測することは残念ながらできません。その代わりに達成したい目標や夢を実現するために必要なプロセスを具体的に提案できるので、ビジネスでも大いに役立てて頂けると思います。

 実際にフランスでは、相貌心理学をビジネスツールとして活用する企業が少なくありません。主に人材の採用や適材適所への配属、またパフォーマンスを上げるためのグループ編成などに使われています。

 日本の経営者の方からも、効果的な人材育成の方法や社員に長く働いてもらうにはどうしたら良いかというご相談を受けますが、会社にとって本当に必要な人材を採用できているか、さらには本人が満足して働ける環境に配属できているかが重要なことだと思います。

 例えば参謀タイプの人間を採用したい場合、相貌心理学では成功欲求を表す「頬骨」に注目しながら内面の傾向を探ります。優秀な参謀といえば黒田官兵衛。その頬骨は過度に突出しすぎることなく、環境や他者への順応性・寛容性を表す豊かな肉付きに包まれており、問題を柔軟に解決する補佐役としての能力の高さが理解できます。

 逆にリーダータイプを採用したい場合は、豊臣秀吉のようにある程度突出した頬骨(=成功欲求の高い人)に注目していくと良いと思います。

 このように、相貌心理学では顔に表れた特徴から、人間の内面傾向を理解することができます。

 私は、相貌心理学を企業で活用する一番の利点は、主観ではなく客観で物事を判断できる点だと思います。

 顔に表れている形状から客観的にその人を理解していく、それは採用においても社員が適した環境の中で本来の力が発揮できているかを判断する上でも、役立つツールになると思うのです。

 この本が経営者にとっても働き手にとっても「幸せな働き方が見つかる一冊」になることを心より願っています。(840円+税 河出書房新社)

【プロフィル】佐藤ブゾン貴子

 さとう・ぶぞん・たかこ フランスで相貌心理学に出合い、約5年間の勉強を経て日本人初となる『相貌心理学教授資格』取得。帰国後は1億人を超える顔分析に基づく相貌心理学の分析テクニックを駆使し、個人セッション、セミナー、講演など、幅広く活動を行う。また、フランス人の夫とともに八王子にガレット店『Cafe de la poste』を経営するなど、多方面で活躍。

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