新型コロナウイルス感染症対策で激変した私たちの日常生活。政府やお住いの自治体独自の支援など、色々な給付金等が用意されています。知らなかった!ではなく、知っておいてよかった!となるよう、個人向けの各種給付金関連の情報を解説いたします。
今回は学生向けの施策です。学生本人とお子さんが大学生の保護者の方は必読です。
授業料・入学金の免除や減免、給付型奨学金の支援
高等教育修学支援制度は令和元年に成立した消費税増税に伴う新制度です。具体的には大学、短期大学、高等専門学校、専門学校の(1)授業料減免制度、(2)給付型奨学金の支給拡充、となります。対象世帯は収入によって分けられており、住民税非課税世帯かそれに準ずる世帯の学生が対象です。
1つ目は授業料の減免について。上限額は国公立大大学入学金が28万円、私立大学の入学金が26万円、国公立大学の授業料が54万円、私立大学の授業料が70万円となります。短期大学、高等専門学校、専門学校に関しても、公立・私立の別に応じて免除額が定められています。保護者にとってはかなりの負担減になりますし、お子さんにとっても遠慮なく学業に専念することができそうです。
2つ目は給付型奨学金の支援拡充です。国公立大学等に通う自宅生に年間約35万円、自宅外生に年間約80万円、私立大学等に通う自宅生に年間約46万円、自宅外性に年間約91万円を日本学生支援機構が学生に支給します。将来の学費返済が不安な学生にとって安心できる制度と言えるでしょう。
これらの制度は、たまたま今年からスタートした制度なのですが、新型コロナウイルス感染症に伴う家計急変対策として、一時的に特例として支援要件が緩和されました。
【家計急変の場合の特例】
以下のように、通常よりも要件が緩和されています。収入が激減した場合は利用できる可能性があります。
・申込:年2回 → 随時(家計急変後3カ月以内に申込)
・支援開始時期:4月または10月開始 → 随時(認定後速やかに)、申請月から支給開始
・対象者:家計、学業他の要件を満たす者 → 急変事由が生じた者のうち家計、学業他の要件を満たす者
・所得基準:住民税非課税世帯、左記に準じる世帯 → 年間所得の見込み額を基に判断
・判定対象所得:前年所得 → 急変事由が生じた後の所得(給与明細等で確認)
住民税の計算上前年度所得が確定しなくてはならず、急な収入減には対応が難しかったのですが、今回は見込年収で判断するなど柔軟な対応となっている点が注目に値します。
貸与型奨学金も家計急変の支援を実施
(1)緊急採用(無利子)奨学金:失職など家計急変後の年間所得見込額(年収700万~1,290万円以下、ただし子供の人数による)で支給を判定。貸与額は最大で月6.4万円。
(2)応急採用(有利子)奨学金:失職など家計急変後の年間所得見込額(年収870万~1,670万円以下、ただし子供の人数による)で支給を判定。貸与額は最大で月12万円。
(3)緊急特別無利子貸与型奨学金:学費をまかなうためのアルバイト収入が激減し、緊急に資金の必要な学生・生徒が対象。最短翌月振り込み、最大月額12万円(他の制度と合わせれば最大18万円)、家庭の年収目安は年収1,200万円まで。
貸与型の奨学金は卒業後に返済義務が課されますが、生活が立ち行かなくなる前に申請するようにしましょう。
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