新型コロナウイルスの影響で、今夏はボーナスが減ったり、出なかったりしたご家庭もあるでしょう。夏のボーナスが減ったご家庭はもちろん、額が変わらなかった、あるいは増えたご家庭でも、ウィズコロナの時代に備え、家計管理に力を入れる必要があります。
ところで、6月に発表された「第41回Ponta消費意識調査」によると、ボーナスの使い道の第1位は、7年連続で「預金・貯金」だそう。しかも支給額の半分以上を「預金・貯金」に充てたい人が6割もいるそうです。預金を増やしたいニーズはもともと高いものがありますが、コロナの影響でより高まっていると感じます。
さて、ウィズコロナの将来に備えて、今夏のボーナスから「予備費」をもうけてはいかがでしょうか。予備費は働けないときや減収に備えるお金です。就業不能状態を保障する保険に入る選択肢もありますが、保険金を受け取るまでに30日や60日などの待機期間があり、数週間で治療が終わるコロナウイルスのようなケースでは、保障の対象外になるのが一般的。すぐに引き出せるお金を、「予備費としてプールしておく」ことで、いざというときに備えるのです。
ボーナスは預金を増やせるチャンスなので、預金する予定のお金の一部を「予備費」として、管理するのが確実な方法。教育資金や住宅資金のように、使う目的がはっきりしているお金とは、別の口座で管理するのがよいでしょう。病気やケガで一定期間働けなくても、会社員なら傷病手当金がもらえますが、傷病手当金は入金までに時間がかかります。いざというときには住宅ローンや保険料などを、予備費から払えるようにすると安心です。
預金と予備費のほかに、特別支出に充てるお金も、ボーナスから取り分けたいところ。預金、予備費、特別支出を取り分けると、自由に使えるお金が少なくなりますが、コロナウイルスのような危機を体験した今、「いざというときに強い家計」をつくるチャンスと捉えましょう。(ファイナンシャルプランナー 畠中雅子)