新型コロナウイルスの影響で多くの学校が休みになり、子供たちはかなり長い時間家で過ごすことになります。そうなるとどうしても避けられないのがテレビやインターネットでの動画の視聴やテレビゲームです。
今回の新型コロナウイルスや、かつて流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)、インフルエンザなどで学校を閉鎖したときの効果を予測した研究結果が4月に医学誌ランセット(小児健康版)に掲載されています。それによると学校閉鎖自体の効果は死亡の3%程度の減少に寄与するだけだとされています。
ただ、休校中に人混みに出かけてしまったり、友達と集まったりする機会が増えると、感染を広げることにつながります。親が働きに出ている間に面倒を見ることや里帰りなどで祖父母など高齢者と接すると、高齢者の感染機会が増えてしまいます。休校をより効果的なものにするためには、むやみに出かけたり人に会ったりしない、人との距離を保つ、手洗いをきちんとするといったことが同時にできることが大切です。
また、ただテレビやパソコンの前に座っている時間や、スマホやゲーム機の使用時間には注意が必要です。これらの時間が長くなると肥満していくことがさまざまな研究から示されています。
テレビやゲームで運動不足になるからと考えがちですが、実はそれほど大きな原因ではないことが研究から示唆されています。おそらく最も大きな原因はスクリーンを見ながらスナック類やジュースなどをたくさん食べたり飲んだりしてしまうことです。ゲームのやりすぎなどで睡眠時間が短くなることや夜更かしすることも、食欲を刺激し体重が増えやすくなります。
運動不足は体重とはそれほど関係ないとしても、体の機能や情緒などには大きく影響します。どうせゲームで遊ぶなら体を動かすものでも良いのかもしれません。また動画配信の中にもエクササイズやダンスといったものがあるので、親子で楽しめるものを探してみてはいかがでしょうか。
(しもじま内科クリニック院長 下島和弥)
=次回は5月7日掲載予定