試乗スケッチ

コペンGRスポーツ、驚愕の“改造度”…あの敏腕ドライバーお手製と聞き納得 (1/2ページ)

木下隆之
木下隆之

 2019年11月。トヨタ「GRカンパニー」(※トヨタのモータースポーツ直系のスポーツカーブランド)の試乗会が開催された。事前情報によると、メインモデルは「C-HR GRスポーツ」だとされていた。

 ところが、試乗会場に行ってみると、予想だにしなかったモデルが待ち構えていた。トヨタの試乗会だったはずなのに、「ダイハツ・コペンGRスポーツ」のデビューでもあったのだから腰を抜かしかけた。そう、「GRカンパニー」は、トヨタの連結子会社のダイハツまでもGRスポーツの対象車にしたというわけだ。

 しかも、内容が濃かった。ドレスアップをメインに、サスペンションやタイヤ銘柄の変更など、市販車に比較的ライトなチューニングを施すのがGRスポーツの手法だったのに、ダイハツ・コペンGRスポーツに関しては気合いの入れ方が頭抜けている。

 エクステリアでGRスポーツらしさを演出し、インテリアにもGRスポーツのパーツを散りばめるだけではない。パーツの後付けだけではなく、床下のプラットフォームにも徹底した細工が施されていたことには驚かされた。

 標準モデルとは別物

 クルマを裏返した構造図を見ると、補強の痕跡はありありとする。プラットフォーム中央からフロントのサスペンションメンバーへと、太いパイプがジャングルジムのように複雑に伸びている。リアメンバーへも太いアームがクロスしている。中央のプラットフォームも、左右を強固に連結している。これはもう、コペンのプラットフォームとは別物なほど剛性アップされているのだ。

 しかも前端と後端を、左右のねじれや振動を吸収するパフォーマンスダンパーで連結しているという念の入れようだ。これほど凝ったプラットフォームワークは見たことがない。ほとんどレーシングマシンを作るかのようなボディ剛性への取り組みなのである。

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