株・投資

バブル経済とその崩壊、「歴史とメンタル暴走」でまるわかり (2/3ページ)

 ダウ平均史上最高値からクラッシュ

 1929年の世界恐慌も、その性質は「バブル崩壊」です。第1次世界大戦時、アメリカはヨーロッパから地理的に離れている地の利を生かして、戦時中は軍需物資、戦後は復興物資をヨーロッパに売りまくって荒稼ぎしました。しかし、それも1920年代に入ると売れなくなり、次第に生産過剰気味になります。ところが株価は下がりません。すでに実体経済は冷え込んでいるのに、1次大戦特需から始まった株式投資ブームは沈静化せず、株価だけは上がり続けます。その結果、明らかに経済規模を上回る投機資金が市場を暴走したせいで、1920年代前半から1929年までの間にダウ平均は5倍にもはね上がり、史上最高値を更新したわずか2カ月後に、一気にクラッシュしてしまいました。

 日本のバブルの引き金は“NTT株”

 日本のバブルは、1980年代半ばから始まった低金利政策が、銀行の「カネ余り」を誘発したところから始まります。ちょうどその頃、電電公社が民営化されてNTTになり、超優良企業で値上がり確実の“NTT株”が発売されました。カネ余りの時期に手頃な投機商品があれば、バブルに火がつきます。日本人は、こぞって銀行から金を借りて株や土地を買いまくり、ここからバブルに突入します。NTT株は、わずか2カ月で「1株119万円→317万円」まで上がり、日経平均株価は1989年末には3万8915円(過去最高)を記録、地価総額は1990年、何と「アメリカ3個分」にあたる2470兆円にまで高騰しました。でもその後、金利の上げすぎや不動産取引への厳しい規制ができたことでバブルははじけ、長い長い暗黒時代へと突入したことは、みなさんもご存じのとおりです。

 その他、詳しい説明は省きますが、2001年のアメリカのITバブル崩壊、2008年同じくアメリカのリーマン・ショックも、バブル崩壊です。

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