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まち全体が「没入型の体験」を創出 小売再生のプロも驚く“谷根千エリア” (1/4ページ)

 「あなたがこれまで見てきたなかでもっとも魅力的だった店舗はどこですか?」。世界的な小売のコンサルタントで、書籍『小売再生』の著者のダグ・スティーブンス氏がよく聞かれる質問だ。6月に日本を訪れたスティーブンス氏に、顧客を惹きつけてやまない店の条件を聞いた--。

 「いい店舗」の評価基準は安さでも品揃えでもなくなった

 「いまやわたしたちは店に何かを『見つけ』にいくのでも『買い』に行くのでもない。つまり、店で売るのは『商品』ではなく『体験そのもの』になりつつある」

 とスティーブンス氏は指摘する。しかし「体験」という言葉は曖昧で評価しづらいため、多くの企業が具体的にどんな体験を店舗に組み込むべきかを試行錯誤している。より魅力的な店舗体験を生み出すためには、スティーブンス氏の以下のキーワードが参考になるだろう。

 <キーワード1>個人の店 Independent Store そこに情熱はあるか?

 「これまで見てきたなかで、もっとも魅力的だった店舗はどこですか?」。小売コンサルタントとして幾度となく受けてきたこの問いに、スティーブンス氏は毎回次のように答えている。

 「それは大企業や有名ブランドの店舗ではなく、独立した個人のお店(=Independent Store)です」

 売上や利益率はもちろん大切だが、それは「思い出に残る体験」を提供できればおのずとついてくるものである、とスティーブン氏は考える。逆に今後「買う」という行為はオンラインで完結できるようになっていくからこそ、顧客の感動を生むがないところで売上と利益を上げ続けることが困難になっていく。

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