書評

『カミとホトケの幕末維新』岩田真美、桐原健真・編

 ■「明治維新150年」の掉尾を飾る

 総勢21人に上る気鋭の研究者が執筆した本書は、「単なる研究論集」ではなく、「幕末維新期の宗教世界について関心をもつ方々にむけた入門書」なのだという。付言したい。「それより何より、おもしろい」のである。

 そのはずだ。どの論考にも「世直し」や「伊勢参り」「潜伏キリシタン」、「清川八郎」に「吉田松陰」、宮沢賢治の“師”「田中智学」など歴史・文学ファンには見逃せないキーワードがちりばめられ、近世と近代、さらに現代との接点があぶり出されているのだ。「明治維新150年」のトリとして出版されるにふさわしい好著である。(法蔵館、2000円+税)

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