お金で損する人・得する人

退職金もらうなら一時金と年金のどっち? どんな受け取り方が有利なのか (4/4ページ)

平野泰嗣
平野泰嗣

 退職金全額を一時金で受け取った場合と、一時金と年金を併用した場合の税金・社会保険料の負担を比較してみました。

 退職金2000万円を一時金でもらった場合の税金は約40.6万円。年金にして毎年27.5万円を20年間受け取った場合の税金・社会保険料は約129.3万円でした。

 さらに、手取りベースで考えると、次のようになります。

 手取り額は、一時金で受け取ると約1959万円、年金で受け取ると約1920万円です。Aさんのケースでは、退職金をすべて一時金で受け取った方が有利という結果になりました。

一時金・年金の有利・不利は手取りベースで考える

 これまで見てきたとおり、退職金は、同じ受け取り方であっても、個々の条件によって手取り額が大きく変わるのです。実際にどのような受け取り方が有利かということも個々の条件によって変わります。退職金は一度受け取り方を決めると後戻りはできません。後になって後悔しないように、じっくり検討する必要があります。

 次回は、会社の退職金と合わせて、iDeCoをどのように受け取るのかを考えるケースを見ていきます。これも一時金と年金の選択を同時に検討する必要があります。

平野泰嗣(ひらの・やすし)
平野泰嗣(ひらの・やすし) ファイナンシャルプランナー CFP(R)認定者
中小企業診断士
1971年生まれ。東京都出身。慶応義塾大学法学部法律学科卒業。中小企業を支援する公的金融機関勤務。人事部時代に働く人のライフプランの重要性を感じ、FP資格を取得。妻・平野直子とともに「FPオフィス Life & Financial Clinic」を経営。「その人らしい幸せな人生」実現のサポートをミッションに活動。お客様と一緒に作成したライフ&マネープランは1000件超。中小企業診断士として、個人事業主、経営者の支援も行う。

【お金で損する人・得する人】は、FPなどお金のプロたちが、将来後悔しないため、制度に“搾取”されないため知っておきたいお金に関わるノウハウをわかりやすく解説する連載コラムです。>アーカイブはこちら

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