受験指導の現場から

スマホ中毒の本当の怖さを知ってますか? 合否の分かれ目にも (2/5ページ)

吉田克己
吉田克己

 先の話を聞いたとき、筆者にはすぐにピンときた記事があった。2014年8月18日、「週刊文春WEB」に「スマホ1日1時間以上」で子供の成績が下がる! 中学生2万4000人調査が証明」という記事が掲載されていたことを覚えていたからだ。

 この記事は、仙台市が実施した2013年度の標準学力検査「仙台市生活・学習状況調査(調査対象は仙台市立中学校に通う全生徒2万2390名)」の結果を東北大学の川島隆太教授が解析したもので、その概要は今でも仙台市のホームページから辿って見ることができる。

 以下に、筆者なりの解釈も含めた要点を記す。

 平日の勉強時間が同じくらいの生徒ごとにグループ化し、それぞれのグループ内で「1日あたりのスマホ使用時間」と「数学の成績」との関係を見ると-。

・どのグループでも、スマホの使用時間が1時間以内であれば正答率に差異は見られないが、使用時間が1~2時間、2~3時間、3~4時間と1時間増えるごとに正答率が4~5%ずつ低下していく。

・1日に2時間以上勉強していても、スマホを1日に3時間以上使っている生徒は、1日に30分しか勉強しない生徒よりも正答率が低い。

・1時間を超えるスマホ使用1.5時間で、1時間の勉強時間を帳消しにする。

 直ちに「因果関係あり」とすることはできないが、2万4000人規模の調査でここまで(データ的に)きれいな結果を目の当たりにすると、少なくとも、「因果関係があるとは言えない」とはならないだろう。

 なお、この調査は、切り口を少し変えながらも2015年度版以降にも引き継がれており、これら5種類のリーフレットは、受験を予定している子供を持つ親ならば必見に値するだろう。

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