【父の教え】クイズの“東大王”伊沢拓司さん 「絶対」はない…広い視野で (2/4ページ)

「父は働き盛りに僕に時間を使ってくれた。母も、です。父を褒めたら母も褒めなきゃ」と語る素直さも魅力(酒巻俊介撮影)
「父は働き盛りに僕に時間を使ってくれた。母も、です。父を褒めたら母も褒めなきゃ」と語る素直さも魅力(酒巻俊介撮影)【拡大】

  • 伊沢拓司さんの父、隆司さん

 共働き家庭の一人っ子。保育園のお迎えは園児の中で、一番あと。父との帰り道、豆腐屋で油揚げなどを買うのが楽しみだったという。父も母も読書が好きで、自宅は歴史小説などの本だらけ。伊沢さんが物心つく頃には日本の歴史の学習漫画が本棚にさりげなく並べられていた。「マンガが読めるぞと思って気づいたら手に取っていました」。自然と伊沢さんも読書好きに育った。「休日は父に車でブックオフに連れていってもらって、ずっと立ち読みをしていました」

 そんな父とののんびりしたエピソードの中に、チクリと胸に刺さって残るのが小学2年の平成14年、最後に叱られたときの記憶だ。

 サッカー少年の伊沢さんはW杯日韓大会に夢中だった。日本代表がベルギーに失点を喫した場面で「今のは川口(能活(よしかつ))だったら、絶対、止められたよ」と言った伊沢さんを、隆司さんは「絶対という言葉を軽々しく使うな」と叱った。

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