視点

サマータイム導入、支持の目線で考えた 「働き方改革」として考えてはどうか (2/3ページ)

 仮に2時間のサマータイムを導入すれば、午前7時にスタートするマラソンは現状の午前5時からになり、幾分かは選手への負担が軽減するだろう。

 だが、サマータイムはどうも評判が良くない。マラソンなどはメリットがあるが、繰り上がりで猛暑の中で行う競技が増えるというのだ。

 国民生活への影響も大きい。とくにIT業界は、コンピューターシステムの変更が難しく、わずか2年足らずで準備はできないと猛反対している。始業時間を早めると、まだ明るいうちに「アフター5」になって余暇時間が増えるが、実際には残業が増えて労働時間が長くなると懸念する声が少なくない。

 また、サマータイムへの切り替え時期に睡眠時間が減少するなど、健康への悪影響を指摘する専門家もいる。

 サマータイムは欧米など約70カ国で実施されているが、EU(欧州連合)諸国では見直しの動きがある。日本でも戦後の占領期にエネルギー消費の抑制を狙って導入したが、国民の理解が得られず、わずか3年で廃止された。

 少数意見になりそうだが、あえてサマータイム導入を支持したい。

 2004年のアテネ五輪を現地で取材した。やはり猛暑が懸念されたが、それほど暑さは感じなかった。それよりギリシャの人々の夏の過ごし方が印象に残った。

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