仕事はあるのに人がいない、航空業界で人手不足 パイロットの「2030年問題」も (1/3ページ)

 訪日外国人客の増加などで航空需要が拡大する中、空港で働くさまざまな職種で人手不足が深刻化している。関西国際空港では、航空会社をはじめ機内食製造や清掃などの運航サポート会社、飲食店、免税店などで1万7千人以上が勤務しているが、こういった地上業種で必要な人員が確保できないという声があがっており、今後も業務拡大に追いつかない状況が続けば、訪日客の誘致などに影響が及んできそうだ。

 航空機の誘導や手荷物積み下ろしなどを請け負うKグランドサービス(大阪府泉佐野市)では、関空の路線数増加や海外航空会社の参入が相次いでいることを受け、採用計画を約3年前から拡大。平成29年度は30人を募集したが、応募者が少なく充足できなかった。

 同社は主に航空系専門学校の卒業生を採用してきたが、近年は大学生のほか、昨年度からは高校生の新卒採用も始めた。ただ、就職活動では学生優位の売り手市場が続き、華やかな空の仕事に比べて地上勤務は地味なイメージを持たれていることもあり、人材は足らず、人事担当者は「仕事の委託を断らざるを得なかったこともある」と話す。

「求人があっても紹介しきれない」