言動、マナー、串外し?…「モヤモヤ」だらけの世とどう向き合う “常識”に戸惑う中年 (1/4ページ)

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【常見陽平のビバ!中年】

 中年として避けては通れない本と出会ってしまった。頭を金槌で殴られたような衝撃だ。フリーライター宮崎智之氏による『モヤモヤするあの人 常識と非常識のあいだ』(幻冬舎文庫)がその本だ。

◆ジェネレーションギャップに物申す

 タイトルが物語っているが、これは常識・非常識、ルール・マナーをめぐる「モヤモヤ」について考察した社会派エッセイである。まるで中年のゆっくりとした平泳ぎのように、浅く深く上下運動しているかのような、キャッチーさと「深さ」が気持ちいい。

 取り上げている「モヤモヤ」するものは、たとえば次のようなものだ。「スーツにリュック」「職場でノンアルビール」「ビジネスでマスク着用」「大雪でも定時出社」「タバコ休憩」「嫌いな上司のSNS友達申請」「焼き鳥の串外し」「iPhoneから送信」などだ。

 聞いただけで、中年としては何か言いたくなることがあるのではないだろうか。しかも、いかにも平成生まれと昭和生まれの互いの違和感に象徴されるような「ジェネレーションギャップ」で年下の世代に何か物申したくなるだけでなく、同世代でも激論が起きそうな案件である。

◆タバコ休憩…厄介な「異常識」たち

 思うに、世の中は常識・非常識の二項対立だけでは論じられない。同世代であれ、さらには同じ組織においてすら「異常識」という概念が存在するのだ。常識が異なるのである。先ほどあげたような件ですら、いろいろ言いたいことがあるだろう。

ルールやマナーは時代とともに変化