えちぜん鉄道の平成29年度の利用者数は360万2920人で、15年の運行開始以降最多となった。上期は北陸新幹線金沢開業効果が薄れ、福井鉄道との相互乗り入れや福井駅西口の再開発ビル「ハピリン」の開業なども一段落したため、前年同期比で1万4千人減少したが、下期は豪雪の影響で運休したもののマイカーから電車に切り替えた人が増加。最終的に28年度を4万4292人上回り、年間目標の360万人を突破した。
29年度の利用者数の内訳をみると、通学・通勤定期と回数券の「日常生活型」が前年度比2万7028人増の226万8895人だった。通学定期は少子化の影響で前年度比0・7%減だったが、通勤定期が2・2%増え、回数券は5・1%伸びた。「非日常型」(観光・イベント目的)は、1万7264人増の133万4025人だった。また、えち鉄三国芦原線と福井鉄道福武線の相互乗り入れでの利用は、前年度比7931人増の14万507人。通学での利用が着実に伸びており、今後、地域住民の病院や買い物による利用促進を図るとしている。
同社は30年度の利用者目標は29年度実績より約2万7千人増の363万人に設定した。引き続き通学定期の減少が見込まれるが、通勤定期や非日常型の利用を見込んでいる。また、福井駅周辺高架化工事が完成し6月24日から新たな福井駅舎などでの運行を開始。今秋の福井国体・全国障害者スポーツ大会、えち鉄を舞台にした映画の公開などで県外からの利用客を期待している。2月の豪雪を教訓にした雪害対策については県や市町などと協議し対応を決める方針だ。