アメリカでは4月から、クレジットカードの署名が順次不要になっている。アメリカン・エクスプレス(以下アメックス)、ビザ、マスターカード、ディスカバーの主要クレジットカード会社4社が、店頭での支払い時に署名を求めない方針を発表したからだ。ビザを除く3社は4月13日から、ビザは4月末をめどに廃止することを明らかにした。
▽決済時の署名に「2つの目的」
署名廃止が適用されるのは主にアメリカもしくは北米だが、カード会社によってその範囲は異なる。たとえば、アメックスは昨年12月に、今年4月より全世界で店頭購入時の署名が不要になると発表している。
もともとクレジットカード決済時の署名には2つの目的があった。ひとつは本人確認だ。カード裏の署名と実際の署名を照合し、カードを使っているのが本人であることを確認する。そしてもうひとつは、詐欺などの行為からカード所有者、加盟店、クレジットカード会社を保護するためである。
しかし署名をするという行為には時間がかかるため、2012年頃から25~50ドル以下(金額はカード会社によって異なる)の買い物の場合には署名が求められなくなった。カード社会のアメリカでは、5ドル、10ドルといった少額の買い物の支払いにもクレジットカードを使う人が多い。