これは才能! とっさに面白く切り返すワザ 賞賛される「ウイットに富んだ一言」 (1/4ページ)

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 ピンチのときこそ、その人の本性がでる。どれだけ窮地に追い込まれ、批判されても、逆ギレせず、余裕を持ってウイットに富んだ切り返しができる人は、どの世界でも一流だ。才能といっても、天賦の才というわけでなく、日常会話に織り込んで、練習するといい。今回は、お見事と叫びたくなる好例を紹介しよう。

 誰もが称賛する、ウイットに富んだ一言

 相手に好意を抱いたり、好感を持ったりするきっかけはさまざまだが、その一つにウイットに富んだ言葉や会話の存在がある。肉声だけでなく、SNSでのコメントやつぶやきでも、同様の効果を発揮する。

 「ウイット」とは、その場に応じて機転が利いた会話や文章などを生み出す才知を意味する。相手にひどいことを言われたときや、ヤジで無礼な言葉を飛ばされた際に、怒りに任せて汚い言葉で反論すれば、相手と同じレベルの人間と思われる。だがウイットに富んだ表現で切り返えせば、一枚上手だと誰もが賞賛する。

 ぶつけられた海上自衛隊の船長

 相手の過失でこちらが被害に逢えば、加害者を責めることが一般的だ。だが災難をウイットで表現し、アメリカとイギリスで高く評価された日本人がいる。2000年7月4日20世紀最後のアメリカ独立記念日を祝う洋上式典に参加するため、多くの艦艇がニューヨーク港に集まったが、その中に海上自衛隊の自衛艦「かしま」がいた。

 翌5日にイギリスの客船「クイーンエリザベス号」がニューヨーク港に入港してきたが、急流になっていたハドソン河に流され、同船は「かしま」の船首に接触してしまった。

 クイーンエリザベス号が着岸すると、船長のメッセージを携えた機関長と一等航海士がすぐに謝罪に訪れた。そのとき応対したのは、練習艦隊司令官・吉川栄治海将補と「かしま」艦長・上田勝恵一等海佐(どちらも当時)の2人だ。上田艦長はその際にこう答えた。

 「幸い損傷も軽く、別段気にしておりません。それよりも女王陛下にキスされて光栄に思っております」

 世界各国の帆船や海軍の艦艇70隻あまりが洋上式典に参加するためニューヨーク港に入港したこともあり、この話は瞬く間に船乗りに広まった。さらにニューヨークでは自衛艦艦長が口にした言葉のセンスが高く評価され、イギリスでは「タイムズ」や「イブニング・スタンダード」にまで報道された。

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