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母から2000万円を奪った“大手銀行の合法手口” 行員の本音「自分なら買いません」 (4/5ページ)

 2017年3月、金融庁は「顧客本位の業務運営に関する原則」を打ち出し、金融事業者に顧客本位の業務運営、いわゆる「フィデューシャリー・デューティー」の確立・定着を求めた。「顧客本位の業務運営」に関する7つの基本原則とは以下の通りだ。

 【原則1】顧客本位の業務運営に係る方針の策定・公表等

 【原則2】顧客の最善の利益の追求

 【原則3】利益相反の適切な管理

 【原則4】手数料等の明確化

 【原則5】重要な情報の分かりやすい提供

 【原則6】顧客にふさわしいサービスの提供

 【原則7】従業員に対する適切な動機づけの枠組み等

 素人である私の解釈では、お上が「金融機関はこれまでのように、自社が一番儲かる商品を売ろうとするのではなく、投資家個々人にとって本当に必要な商品を売り、顧客にも利益をもたらすような金融サービスに努めよ」とご下命したということになる。

 銀行員のカモになる高齢者は今後も減らないのか

 母の件には残念ながら、このご下命は間に合わなかったが、これにより、金融機関の「カモ」になる高齢者が減ることを祈っている。ただ、このご下命は始まったばかり。現在、親御さんの介護に携わっておられる方、または高齢かつあまり金融系の知識には強くないと思われる親御さんをお持ちの方には、まだまだ注意が必要だ。

 たとえ、認知症であろうがなかろうが、高齢者が「自分の金でこの金融商品を買う」と主張したならば、これからも金融機関は今までどおり、法的な手続きをクリアして、そうした「ご要望」に応じることだろう。たとえば母のように「ハイリスク・ハイリターン商品で運用したい」という書類にサインしていれば、その先は合法的な取引になる。

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