働き方改革 人件費・業務増加が重荷に 1年延期でも「焼け石に水」 (1/2ページ)

衆院予算委員会で答弁する安倍晋三首相(左)。後ろは麻生太郎副総理兼財務相(右)と話す加藤勝信厚生労働相。野党はこの日も裁量労働制に関するデータ不備を追及した=22日午後、衆院第1委員室(斎藤良雄撮影)
衆院予算委員会で答弁する安倍晋三首相(左)。後ろは麻生太郎副総理兼財務相(右)と話す加藤勝信厚生労働相。野党はこの日も裁量労働制に関するデータ不備を追及した=22日午後、衆院第1委員室(斎藤良雄撮影)【拡大】

 政府が今国会に提出予定の働き方改革関連法案は、昨年3月に取りまとめられた働き方改革実行計画を法制化したものだ。少子高齢化が進行する中、安倍首相が掲げる「1億総活躍社会の実現」には不可欠だが、迅速に対応できない中小企業にとっては大変な重荷。施行が延期されたところで「焼け石に水」との声も上がっている。

 働き方改革関連法案は労働基準法、労働者派遣法、労働安全衛生法など8本の法律の改正案で構成。(1)罰則付きの残業時間の上限規制(2)実際の労働時間に関係なく事前に決めた時間を働いたとみなす「裁量労働制」の対象拡大(3)高収入の専門職の残業規制を外す「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」の創設(4)正社員と非正規社員の賃金や福利厚生などの不合理な格差をなくす「同一労働同一賃金」の実現-が柱だ。

 政府は当初、昨年秋に想定されていた臨時国会に働き方改革関連法案を提出する方針だったが、衆院解散・総選挙の影響で年明けの今国会に法案提出がずれ込んだ。それに伴い、法律の施行時期も延期される。

 残業上限規制は、大企業が当初の予定通り平成31年4月だが中小企業は適用を1年延期。同一労働同一賃金の導入も1年遅らせ、大企業と派遣事業者が32年4月、派遣を除く中小企業は33年4月となる。裁量労働制拡大と高プロ創設も1年遅れの32年4月の方向だ。

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