「出されたお茶」は飲み干したほうがいい 新人のころ先輩に教わった3つの教え (2/4ページ)

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 そこで今回は、新人の頃から20年近くたった今でも鮮明に覚えている、クライアント企業訪問時の「教え」を3つ紹介しよう。「あまりにもレベルが低すぎる」「『教え』だなんて、そんな大層なもんでもねぇだろ、こんなの」と感じるのであれば、それはあなたが常識人ということだ。

 ▼クライアントのビルに入ったらコートを脱ぐ

 先輩から「ほら、脱げ」とせかされ、「まだ体が冷えています!」と私が反論したら「そういうことではない。客先に着いたらまずコートは脱ぐものだ」と諭された。防寒だけを目的にするのであれば、コートは先方のオフィスに入るまで着ていてもいいかもしれない。が、マナーとはそういう次元の話ではないのだ。

 たとえば、高級なすし屋のカウンターでサングラスをかけ、帽子をかぶったまま食事をしている人を見たら、きっと違和感を覚えることだろう(※ただし、さかなクンは除く)。それと同様に「取引先の建物に入ったらコートは脱ぐ」のがマナーなのである。

 出されたお茶を飲み干さなければならない理由

 ▼ピッタリの時刻に相手を呼び出す

 アポイントメントが15時の場合、大抵14時53分あたりには受付に着いているものだ。そこで私は何気なく「それじゃあ、○○さんを呼び出しますね」と内線電話をかけようとした。ところが先輩は「いや、15時ピッタリまで待って」とストップをかけた。いわく「向こうはあくまでも15時からオレらとの時間をつくっているんだよ。『あと7分もあるのになんだよ……』と思うかもしれない。早く訪ねてくる分にはいいだろう、というのはこちらの勝手な都合だ。あちらさんはこの7分で最後の準備をしているかもしれないし、別の大事な仕事をしているかもしれない。15時と言ったら15時なんだ。『遅いのはダメだけど早いのはいい』ということではない」とのこと。

 ▼出されたお茶は飲み干す

 就職活動の際、OB訪問の作法として「先輩の話に聞き入っているという熱心さを見せるため、出された飲み物には手をつけるな」という謎のルールがあった。あるいは「飲んでいい」と先輩からは言われるまで飲んではいけない、というものもあった。それらは真偽不明のライフハックとして学生の間で語り継がれているようなものだったが、私は社会人になった当初も、出先の打ち合わせで供されたお茶やコーヒーを前に、同じ対応を取っていた。

先輩が「ちゃんと飲め」言った理由