【論風】加速するキャッシュレス化 「現金大国」の日本、対応の遅れは国際競争に直結 (2/3ページ)

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 大きい導入メリット

 10年前より携帯での決済方法を確立させ、かつては世界でもっともモバイル決済が進んだ国といわれていた日本だが、現在まで普及に至らなかった理由としては現金が安全であるまれな国であるということが挙げられる。

 無人の野菜売り場が海外で話題になったことも記憶に新しい。中国では偽札の横行が社会問題化されており、米国や欧州がカード大国になったのも利便性の面も少なからずあるだろうが、最大の理由は現金を持ち歩いていると危ないからである。

 しかし20年に開催される東京オリンピックの期間には海外から大量に訪れる外国人であふれかえるだろう。そうなれば外貨を両替したり、ATMから日本円を引き出したりする手間がかかり、日本人が負担するであろうコストも膨大な額になるはずだ。

 私たちサービス業から見てもキャッシュレス化は非常にメリットがあると感じる。オンラインで決済が完了すれば現金の誤差は発生せず、複数のスタッフで現金を何度も数え直す手間も省かれるのである。毎日のように入金のため銀行へ足を運ぶこともなくなり両替の準備、現金盗難の心配もなくなる。結果的にコスト削減につながり、効率化が予想される。

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