しかし、「いつもの」という消費は「惰性」の消費と背中合わせとなっている恐れがあります。つまり、どうしても飲みたかった一杯ではないこともある。よって、満足度がそれほど高いとは言えない一杯に300円以上を毎日払うことも珍しくないのです。ひどいケースになると、いつも半分以上飲み残しているにもかかわらず、なぜかトールサイズで(ショートサイズではなく!)毎日買う人もいます。
320円のコーヒーを月22日買えば、月7040円もコーヒーに費やしているわけですが(1日2杯の日があれば、月1万円は軽く超える)、はたしてかけたコストに見合う満足を得ているでしょうか。
▼マイボトルの人は「生存戦略的に滅びの道を歩んでいる」
一杯数百円のコーヒーを含め、日々の買い物において、自分の「満足」を買う意識がない人は、ちょっと厳しい言い方をすれば「生存戦略的に滅びの道を歩んでいる」も同然です。もし惰性で買うなら、缶コーヒー120円でもいいはずです。それだけで月5000円も浮きます。
セブン-イレブンを代表としたコンビニのコーヒーは試したことがあるでしょうか。ほぼ半分に下がるコスト(レギュラーで100円、ラージで150円)で、満足度が大して変わらないなら、朝の一杯を置き換えてみるだけで家計のコスパは大幅に改善します。日替わりでローテーションしてみるのもいいでしょう。週数回のスタバの一杯の感覚的価値はぐっと高まるはずです。
かつて『アリー my LOVE』というアメリカの人気ドラマがありましたが、そのなかのせりふで「スタバの一杯をすぐ飲んじゃダメ。香り(アロマ)を味わうところから楽しむのよ」といった内容のものがありました。あれは「一杯の価値」ときちんと向き合っている飲み方といえます。