活発な前線の影響で5日午後、福岡、大分両県などで記録的な大雨が降った。気象庁は5日夜、「数十年に1度」規模の災害発生の恐れが高まっているとして両県に大雨特別警報を発表。計約17万世帯、約40万人に避難指示が出た。福岡県警は同日夜、子供を含む計6人が、大分県日田市も男性1人がそれぞれ行方不明になっているとの情報があると明らかにした。同様に大雨となった広島県では川で流されたとみられる男性1人の死亡を確認した。
福岡県朝倉市周辺では午後9時までの24時間に平年の7月の1カ月分(354.1ミリ)を上回る513ミリを観測。気象庁は午前には島根県でも一時、大雨特別警報を出しており、狭い範囲で長時間降り続く「線状降水帯」が、2度にわたり形成されたとの見解を明らかにした。
気象庁によると、台風3号が湿った空気をもたらした上、梅雨前線が5日にかけて北側の高気圧に押されて徐々に南下。そこへ太平洋高気圧の縁を回るように暖かく湿った風が流れ込んできた。前線は午前に島根県付近で、午後に福岡県付近でとどまり、それぞれ線状降水帯が形成された。
線状降水帯は積乱雲が連続発生し、数時間にわたり大雨を降らせる。平成26年の広島土砂災害や、27年の東日本豪雨でも発生した。
安倍晋三首相は5日、関係省庁に対し、早急な被害情報把握などを指示。政府によると、6日午前5時から警察、消防、自衛隊の計6千人規模で救助にあたり、警察、消防、自衛隊、海上保安庁のヘリコプター計約60機を出動させる方針。
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