流通側の悩みは、仕入れの作物が把握できないこと
くしふるの大地が農場で生産した野菜の大口販売先は、福岡県、熊本県、山口県でスーパーマーケットを展開しているHalloDay(ハローデイ)だ。店内や商品のディスプレーに工夫を凝らし、アミューズメントパーク化していることが特長で、客を楽しませる仕掛けが随所に見られるユニークなスーパーとして知られる。
「アミューズメントフードホール」を掲げるハローデイは、生鮮食品の新鮮さをアピールポイントのひとつにしている。徹底した品質管理に基づく安全性に加え、買い物が楽しくなるような新鮮な情報を消費者に届けることを目指している。ただ、農家の多くは情報化が進んでいるとは言えない状況で、生鮮野菜の仕入れの情報をいち早く正確に知る仕組みの構築が経営課題として持ち上がっていた。
このハローデイの悩みを聞きつけたのが、ICT化を支援しているNEC九州支社の営業担当者だった。担当者は、農業のIT化に積極的な農業生産者を紹介してもらえないかハローデイに頼み、紹介してもらったのはくしふるの大地だった。原価を把握したい農業従事者と、仕入れ情報を把握したいスーパー。両社の悩みをICTで解決することができれば、農業の再生の大きなヒントになるかもしれなかった。