はしかは感染力が強く、手洗いやマスクで防ぐのは難しい。感染拡大を防ぐには、予防接種を受けるほか患者が周囲に“広げない”ことが鍵となる。
8月26日に東京都立川市で行われたアニメイベント。午後3~7時にイベント会場などに患者が滞在していたとして注意を呼びかけたのは、東京都多摩立川保健所だ。患者は都内在住でなく、滞在時間などかなり細かい情報も含まれるが、保健所は「この時間に同じ場所にいた人に注意してもらいたいと思った」と情報公開の狙いを話す。
感染症に詳しい川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長によると、はしかは「患者がコンビニで買い物をしただけでレジの従業員にうつるほど感染力が高い」という。手洗いやマスクだけでは感染を防げず、予防方法はワクチンしかない。
しかも初期の症状は風邪に似ており、はしかと気づかず出勤して職場で広げたり、医療機関で広げたりする恐れもある。厚労省は「患者がいた場所に出入りした人が体調を崩したら、はしかを疑い早めに医療機関を受診してほしい」と話す。事前に医療機関に電話を入れ、むやみに他人と接触しないことが重要だ。