■保守派自認者必読の政治時評
欧州が揺れている。
新自由主義とグローバル資本主義のもと、各国は緊縮財政を強いられ、若い世代は就職もできず、ひいては結婚することも子供を持つことも望めない状況に追い込まれている。そんな彼らの支持を集めているのが「経済の手綱を再び政府が握り、再配分をきちっとやって、公平な社会を作りましょう」と主張するスペインのポデモス、ギリシャのシリザ、アイルランドのシン・フェインといった左派政党だ。
本書は在英20年のライターが欧州に吹く風を浴びながらしたためた政治時評である。保守派を自認する者こそ読むべき本である。(1944円、岩波書店)