子育てや介護と仕事の両立を可能にする「働き方改革」が参院選でも焦点となる中、長時間労働解消に自主的に取り組む企業が現れている。残業を禁止したり、働き過ぎた社員を表彰の対象から外したりするなど手法はさまざまだ。
深夜までの残業や休日出勤を減らし、午後7時半までにはほとんどの社員が退社する。女性社員が半数以上を占める人材派遣大手リクルートスタッフィング(東京都中央区)は、子育て中も働きやすいよう2013年から残業削減に着手。働く時間の上限を守らせる仕掛けもつくった。自分の属する組織が業績を上げ、社内表彰に向け一丸となって働くのが社風。そこで、上限を1人でも超えると、組織全体を表彰対象から外すルールを設けた。早く退社する人が急増、2年で深夜労働は86%減り、休日労働も68%減った。
介護事業者の経営支援サービスを提供するセントワークス(同中央区)もトップの号令で12年から残業削減に取り組んだ。「ノー残業デー」を守らない人は紫色のマントで仕事をする変わった罰則も作ったが、効果があったのは地道な取り組みだ。「カエル会議」を開いて無駄を洗い出す、15分単位で作成したスケジュールを共有し、お互いの仕事のじゃまをしない-。
8カ月で残業時間は半減。能率も上がり売上高、経常利益とも増えた。