連合は29日、平成28年春闘の4月下旬時点の回答集計を発表した。賃金水準を一律に引き上げるベースアップ(ベア)と定期昇給を含めた平均賃上げ率は2・03%となった。前回の4月中旬時点の2・06%を下回ったが、連合では賃上げの流れは継続していると評価している。
春闘では例年、3月中旬の自動車、電機などの大企業製造業の回答が先行する。その後、中堅や中小企業の回答が集まることから、後半になるにつれて賃上げ率が落ち込んでくる。
しかし、今年は自動車などで前年の大幅ベアを抑制し、大手の賃上げ率が前年を下回った。これに加え、交通運輸や商業流通などの組合員数300人未満の中小組合で、前年を上回る回答を引き出すケースもあり、全体の落ち込み幅を抑えこんでいる。連合では大手と中小の格差改善が進んだと分析している。