貯蓄分布に全く偏りがない場合、ローレンツ曲線は対角線と重なりますので、色付きの面積はゼロ、すなわちジニ係数もゼロになります。逆に極限の不平等状態の場合、色の面積は正方形の半分となりますから、ジニ係数は0.5×2=1.0となる次第です。したがってジニ係数は0.0~1.0の値をとり、現存する不平等(格差)は、この両端の間のどこかに位置します。
図1の色付きの面積は0.307です。よって2013年の日本の貯蓄ジニ係数は、これを2倍して、0.614と算出されます。この値をどう評価するかですが、一般にジニ係数は0.4を超えると高いと判断されます。最近の日本の貯蓄格差は、常軌を逸して大きいといえるでしょう。
なお、今世紀初頭の2001年の貯蓄ジニ係数は0.597でした。わずかですが、貯蓄格差が広がっていることが知られます。
特に30~40代の「貯蓄格差」拡大
これは全世帯のデータですが、年齢層別にみると様相は違っています。どの層で貯蓄格差は大きい(広がっている)のか。世帯主の年齢層別に貯蓄ジニ係数を出し、グラフにすると図2のようになります。