A子さんは、カバノキ科の樹木ハンノキに対する花粉症があった。それが原因で、ハンノキ花粉のアレルゲンとよく似たアレルゲンを持つビワやリンゴなどバラ科の幅広い果物に反応していた。
今回、焼きそばでのアレルギーの原因食材を調べたところ、大豆を発芽させた豆モヤシと判明。大豆にもハンノキ花粉のアレルゲンと似た「Glym(グリエム)4」と呼ばれるアレルゲンが含まれている。
にわかに関心
果物のアレルゲンは熱や消化で分解しやすく、通常は生で食べても口の中の症状だけで治まる。だがグリエム4は果物アレルゲンより熱や加工にやや強い。納豆やしょうゆ、みそなど発酵した食品ではこのアレルギーはほぼ起きないが、豆乳や軽く火を通しただけのモヤシなどで症状を起こすことがあり、「アナフィラキシー」と呼ばれる、重い全身症状が出る例もまれにあることが分かってきた。
一部の専門家を除き知られていなかったが、国民生活センターが平成25年末、ハンノキやシラカンバ(シラカバ)といったカバノキ科の花粉症と豆乳アレルギーの関係について注意喚起してから、にわかに関心が高まってきたという。