「ふつうのお宅」相続なのに…なぜこじれやすいのか トラブル増加傾向 (1/8ページ)

2015.11.3 17:10

 あまり出しゃばるのも気が引ける。けれども事前対策ゼロではトラブルが怖い。Xデーの準備を、どう持ちかけたらいいか。

 「ふつうのお宅」の相続ほどもめる!

 自分の親の相続は片付いたけれど、そういえば妻の実家の相続はどうなっているのか。資産状況や親族の意向など、それとなく妻に様子を尋ねてみても、いまひとつ要領を得ない。そのまま放っておいていいものか……。

 実際、相続トラブルは増加傾向にある。家庭裁判所での審判や調停に持ち込まれた遺産分割事件の数は、2012年の統計で1万5286件。その4分の3は遺産総額が5000万円以下、3割は1000万円以下の案件だ。

 「相続でもめるのはお金持ちだけという思い込みは、まったくの誤りです」と、『誰も教えてくれなかった「ふつうのお宅」の相続対策ABC』の共著者、弁護士の武内優宏氏は言う。

 さらに今年からは、国が相続税の課税を強化。配偶者と子供合わせて3人で遺産を相続する場合の基礎控除は、それまでの8000万円から4800万円に引き下げられた。「実家が首都圏の一戸建てで、預貯金が数千万という『ふつうのお宅』でも、課税対象になる場合がありえます」と指摘するのは、『誰も……』のもう1人の共著者、税理士の内田麻由子氏だ。

とはいえ、妻本人はともかく、配偶者である夫には…

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