守村 大さん【拡大】
原人生活でまず変わったのは、体だった。規則正しい生活と山仕事、新鮮な野菜中心の食事で、80キロあった体重は50キロ台にまで落ち、30%以上あった体脂肪は半分以下に。入植したころは「仕事をしなくていいんだろうか」という強迫観念があった。でも畑仕事や鶏の世話、薪割りに、ログハウスづくり……日々の暮らしを楽しむうち、きれいさっぱりなくなっていた。
「電気もガスもパソコンも使う普通の生活だよ。ただ、東京での生活に比べると余計なモノがないだけ。まぁ、いまの収入では、クルマもパソコンも買えないんだけど、不自由はないね」
都内で暮らしていたとき少ない休みを利用して釣りやキャンプに行った。けれど「何をするにもお金がかかった」と守村さんは振り返る。
「息抜きにバイクで走るっていってもすぐに渋滞につかまって逆にストレスがたまっていたから」
締め切りの合間のプラモデル作りも長い間の趣味だった。