夫と死に別れた後の年金がどうなるかは、女性にとって深刻な問題だ。変わらぬ生活を続けたいが、それだけの収入は得られるのか-。特に、夫の年金が世帯収入の柱という元会社員の家庭では、表だっては口にしにくいが、関心の高いテーマ。計算違いで多く見積もると、老後の生活設計が狂うので要注意だ。(佐藤好美)
東京都日野市に住む山田恵子さん(83)=仮名=は昨年、夫を86歳で見送った。
夫の死亡後も、今までと変わらぬ生活をし、家で死にたいと思っている。だが、後片付けを終え、生活設計をする段になって、夫の死亡後に受け取る年金が、予想していたよりも少ないことに気がついた。
夫は60歳過ぎまで40年以上会社員として働き、生前の年金は月に22万円程度。山田さんは女学校を卒業後、結婚するまで銀行に勤め、月に3万円程度の年金がある。世帯の年金収入は合計で月25万円程度だった。
元会社員だった夫の死亡後、夫の年金がなくなると、妻の暮らしは厳しくなってしまう。このため、年金制度には夫の厚生年金の4分の3が妻に遺族厚生年金として支給される仕組みがある。