【書評】『憲法改正、最後のチャンスを逃すな!』田久保忠衛著 (2/2ページ)

2014.11.16 11:18

『憲法改正、最後のチャンスを逃すな!』田久保忠衛著(並木書房・1500円+税)

『憲法改正、最後のチャンスを逃すな!』田久保忠衛著(並木書房・1500円+税)【拡大】

 前文はリンカーン米大統領の演説、米国憲法、米独立宣言などからの文言の寄せ集めであり、著者は「ちゃんこ鍋憲法とは言い得て妙である。われわれの建国にはまったく関係がない」と断じている。

 安全保障環境が激変しているにもかかわらず、日本にはいまだ「絶対平和幻想」の呪縛が存在する。

 その呪縛の根源こそが、現行憲法9条だ。第3章「独立国家日本を縛る第9条」では、「9条への妄信」の無意味さをあらためて論考している。戦後の保守本流とされる政治勢力が保持する「防衛力最小、経済合理主義」といういわゆる「吉田ドクトリン」については「徘徊(はいかい)する妖怪」との認識を示し、背後に「反軍・平和主義の国民感情が横たわっている」との指摘は、刮目(かつもく)すべきである。

 第4章「三度の改憲の好機を逸した」では、現在こそが「最後のチャンス」と断言する。そのうえで、「あえて言おう。日本を危険にさらすのは占領基本法を死守しようとする護憲派だ。新しい憲法によって戦後最大の危機を乗り越える機会がようやく訪れているのだ」と結んでいる。(並木書房・1500円+税)

 評・近藤豊和(論説委員)

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