【書評】『知ればどや顔 よくわからない日本語』東郷吉男著

2014.3.16 10:02

『知ればどや顔よくわからない日本語』東郷吉男著(実業之日本社・1050円)

『知ればどや顔よくわからない日本語』東郷吉男著(実業之日本社・1050円)【拡大】

 教えたくなる薀蓄いっぱい

 日本語は奥が深い。普段口にしている言葉でも、よくよく考えるとどうしてそういう表現なのか由来がよくわからないものが多い。

 「後釜に座る」「有象無象」「おけらになる」「小股の切れ上がった」「地団太を踏む」「醍醐(だいご)味」「へそくり」…。これらの言葉を177語集めて、日本語を愛してやまないとおっしゃる元静岡県立大教授の東郷吉男先生に由来を解説してもらったのが本書である。

 中国古典や『万葉集』から江戸の戯作、漱石まで、その言葉が使用されている出典にあたり、時代による音や意味の変遷にもふれていただいた。

 原稿を読んで、驚いた。よもや「ピンキリ」の語源がポルトガル語だとか、「目から鱗(うろこ)が落ちる」が『新約聖書』からだとか、「関の山」や「あこぎ」が実在する地名からとられていたとは思わなかった。いかに自分がものを知らないか不明を恥じると同時に、言葉って生き物なんだなと改めて感じた。

 あとは、この面白さをどうやって伝えればいいのか。どうせならスマホ世代に手に取ってほしい。出来上がったのは怪しげな表紙に変なイラストが満載の真面目な本だ。

 この本には、他人に(もちろん、どや顔で)教えたくなる日本語の薀蓄(うんちく)がいっぱい詰まっている。しかも、机を前にしてというよりは、便座に座って拾い読みするのがふさわしい。もしもトイレ本大賞なるものがあれば、ぜひともノミネートしたい。(実業之日本社発売/有楽出版社発行・1050円)

 有楽出版社 編集部 土田修

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