【書評】『ヤバい予測学』エリック・シーゲル著、矢羽野薫訳 (1/2ページ)

2014.3.9 08:04

 □『ヤバい予測学 「何を買うか」から「いつ死ぬか」まであなたの行動はすべて読まれている』

 ■ビッグデータは使い方次第

 世の中、ビッグデータばやりである。クレジットカードのデータ、大型店舗の顧客データ、ネットショッピングの売り上げデータ、インターネットの検索データなどなど、過去にはその膨大な量と迷路に入り込んだような複雑さで、存在は分かっているが、どう扱っていいかが分かりにくかったので、あまり顧みられないデータであった。

 しかし、いまやそのデータが、未来を予測してくれる宝の山であることが分かり始めて、大モテの貴重なデータへと変わりつつある。

 本書はそんなビッグデータを用いて近未来を予測する「予測分析」について書かれたものである。随所にちりばめられた名言、箴言(しんげん)、迷言がまず目をひく。冒頭に出てくる「昨日は歴史、あすは謎、しかし今日という日は贈り物だ。だから現在(プレゼント)と呼ぶ」という言葉が、明日を予測するものが「今」のデータであることを示している。そして「データは新時代の石油である」「これから10年間で最もセクシーな職業は統計学者だ」「取引に関する情報は、いずれある段階で、取引そのものより重要になるだろう」「扱いようがないと思える無形のものも、測定できる」現状を語っている。

本書のもう一つの特徴は豊富なケースの例示である

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