メーク落としや敏感肌の洗顔に日本手ぬぐいの実用性が見直されている。近年、土産物や壁掛けなど、おしゃれな雑貨として注目されてきたが、今春発行の「手ぬぐい洗顔」を紹介する実用書の売れ行きが好調だ。産地からは「若い人に日用品として使ってほしい」と期待する声も聞かれる。(寺田理恵)
若い世代にも
クレンジング剤を使わず、せっけんと手ぬぐいでメークを落とす方法を紹介した実用書『美肌の習慣 手ぬぐい洗顔』(日本文芸社)はこれまでに6万部を発行。監修した手ぬぐい美容家の高辺しおりさんは「最近は加齢臭や水虫対策などとして中高年の男性ファンが増えています。人気の要因はシンプルな洗顔法というところ。肌がデリケートな方やアトピーで悩んでいる方にも好評です」。
もともと肌が弱かった高辺さんが祖母から教わり、実践してきた。請われてセミナーなどで教えているうちに広がり、出版後はインターネット上の口コミで「毛穴が小さくなった」など評判が評判を呼んだ。
高辺さんは「手ぬぐいは切りっ放しなので雑菌がたまりにくく、乾きやすい。布巾に最適で、吸水性や速乾性に優れているのでハンカチ代わりにも。飾りや土産ばかりでなく、本来の在り方を知っていただければ」と実用性を強調する。