つまり、質より量を求め始めたのです。そして、企業が新卒に求める人物像が似通っている関係で、一部の学生に内定が偏るようになりました。複数社の内定を保持している学生であっても、当然ながら入社できるのは1社しかないため、その他企業は辞退する必要が出てきます。こうして、多数の内定辞退を生み出す状況になりました。
企業によっては、大手であっても6~7割の内定辞退が出ているのが現実です。これでは、1年前から莫大な予算をかけて準備してきた企業にとっては、たまったものではありません。こうなると、企業側も対抗措置を講じてきます。学生が安易に内定辞退することに対し、企業も感情的に対応するケースが増えているのです。以下は、実際に学生たちから聞いた話です。
1. 某大手金融機関A社に内定辞退を伝えたところ、「どこの企業に行くのか?」と聞かれた。入社予定のB社の社名を伝えたところ、A社の取引先の企業であったため、圧力をかけられた。これにより、A社とB社の内定を失う結果となった。