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群馬県、蔓延防止措置の適用申請 最短16日から10市町で飲食店全般に時短要請 

 群馬県は12日、新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開き、感染状況の悪化が続く10市町への蔓延(まんえん)防止等重点措置の適用を政府に申請すると決めた。変異株の拡大など「第4波」を食い止めるため、飲食店全般への時短要請など、より強い対策を講じるべきだと判断した。

 重点措置は政府分科会が示す「ステージ3」相当で適用される。県内は既に人口10万人当たりの新規感染者数(28人)、病床稼働率(62・5%)などの項目が「ステージ4」に該当しており、山本知事は会見で「医療提供体制が深刻な機能不全に陥りかねない」と危機感をあらわにした。

 重点措置の期間は最短で16日からとし、31日までとする。対象区域は前橋、高崎、伊勢崎、太田、沼田、渋川、藤岡、富岡、安中の9市と玉村町。飲食店全般を対象に午前5~午後8時の時短営業と終日の酒類提供の自粛を要請。劇場や博物館など施設に対しても時短営業を求める。

 事業者へは協力金を支給する。重点措置の適用で、知事の権限で時短要請を罰則付きの命令とすることが可能になる。このため、要請に従わない事業者に20万円以下の過料を科すことができる。

 県民へは不要不急の外出や、時短要請した時間以降の飲食店の利用などを要請する。

 重点措置の期間や区域、内容はいずれも県の想定にとどまり、今後の政府との協議で変わりうる。

 県によると、感染状況は「過去最悪」(山本知事)の水準で、8日は過去最多の113人、12日も過去2番目の104人。週平均の1日当たり新規感染者数は1週間前の69・3人(5日)から84・9人(12日)に増加している。県は4日から全県で県独自の警戒度を最も深刻な「4」に引き上げ対策を強化していた。