少しずつ暖かくなってきましたね。新しい生活が始まる4月もすぐそこ。新しい職場や部署、新しい学校や学年など、親も子どももワクワク・不安になる時期かもしれません。
そのような時期に合わせて検討されるのが、新しい習い事。英語教育施設・学校は様々な種類がありますが、見学や問い合わせをするときにどのような視点をお持ちですか?
ビジネスではよく「Apple to Apple(リンゴとリンゴ)」といい、商品やサービスは同一条件での比較、あるいは、性質が似ているものを比較する必要があるといわれます。
とはいえ、英語教育施設は一長一短だったり、かならずしも同条件でシンプルに比較できるわけではないため難しいと思います。その中でも、わかりやすい視点として、下記は必ず確認しているのではないでしょうか。
- 立地: 継続するためには、アクセスはとても大事です
- 料金: 予算に合わせて無理なく続けるためにも大切です
- コース内容: 自分またはお子様に習ってほしいレベルに合わせて必ず確認します
では一方で一番大切な、「教育の質」「得られるであろう投資への成果」は、どのように判断していますか? 目に見えないからこそ難しいのですが、できるだけポイントを書きたいと思います。
英語教育施設・学校の本質とは?
商品を入手した際、美しく包装されていればワクワクするし、見た目が可愛ければ、もちろん嬉しい! でも、実際にその商品を使ってみて購入した目的と見合わなければ、がっかり。どんなに外装・包装がキレイでも、実際の商品の品質が大事であり、これが「本質」だと考えています。
では、英語教育施設・学校の本質は何でしょうか? 本質とは、カリキュラムでしょうか。教材? 先生? 歴史?
いいえ、みるべき本質は生徒です。
英語教育施設・学校の成果の集大成である、生徒が本当に全てです。当たり前すぎることを、と思われたかもしれませんが、当たり前だけど大事。
どんなに良い先生でも、学校のカリキュラムが良くなければ、生徒の英語力は上がらない。どんなに良い国際基準を入れても、一週間に一度であれば、生徒の英語力は使えるレベルに到底届きません。
私が運営しているインターナショナルスクール「GGIS」への入学を検討されているご家族からよく言われることがあります。
- 「生徒間の言語は、完璧に英語なんですね」
- 「なんて、エネルギッシュな子どもたち…」
まさにGGISの特徴を捉えているな、と思います。
その学校・教室に通っている生徒をよく見てください。見学に行ったら、授業している先生の様子を見るのではなく、授業を受けている生徒の様子を見てください。特に子どもは嘘をつかないので、つまらないならつまらなそうなかおをしてます(笑)理解していないのであれば、見ればわかります。
教科書を見る場合もただ、新品を見るのではなく、生徒が使っているところや反応しているところ、または少なくとも書き込みがされている教科書を見てください。
直接生徒に話せる機会があれば、日本語でも英語でも話しかけてみてください。
- “What are you doing now?”(今何しているの?)
- “What did the teacher say?”(今先生はなんて言ってたの?)
また、少人数ではない場合は、すべての生徒に目を配ってください。一人の生徒がたくさん発言しているだけだとクラスマネージメントとしては、良くないです。自身の子どもが、その教室のどの生徒になっても満足できる、と思えることが大切です。
親世代が「やった気になる」ワークブックの罠
本質を捉えるときに、もう一つ見ていただきたいのは、「ワークブック」など生徒が自習する時間がどの程度設けられているか、ワークブックを使っているときの先生の様子です。ワークブックやワークシートは、上手に使えば良い補助的な学習ツールになりますが、実は使い方が難しいため、学校側が正しく使えているかを見る必要があります。
手前味噌ですが、GGISは立ち上げ当初からこれでもかと年々、教育のレベル=生徒の学びの質が上がっています。子どもたちの吸収力にも感激ですが、制限なくレベルを上げてくれるわが校のスタッフに感謝・感激!
そして、質が上がれば上がるほど、実はテキストやワークブックからより離れるようになりました。
保護者からは、「ワークシートをもっと取り入れてほしい」と要望されることもあります。それを求めてしまう気持ちはとてもわかります。成果と捉えられる自分の子どもの取り組みが一つの本にまとまっているため、「投資の成果」が可視化されていますよね。
でも、大事なのは、ワークブックを何ページこなしたか、ではなく生徒が学習内容をどの程度理解しているかです。GGISでも、もちろんワークブックは活用していますが、あくまでも補助的に理解した内容を補習するために使っています。
例えば、アルファベットの文字のワークシート。ただなぞるだけでは、手先の練習にはなりますが、それだけではアルファベットは学べません。子どもたちとみっちり一緒に座って、コンセプトの共有、理解しているかのチェック、取り組み終わったワークシートの復習などその一つだけでもたくさんのフォローが必要とされます。
目にみえる「ワクワク」や「ウキウキ」も大事
上記のように、本質を見極めることは、MUST(必須)です。でも、その本質を捉えた上でNice To Have(あったら嬉しい)を選ぶのは楽しいですよね。
たとえば、「教室や校舎がキレイで新しい!」というのは、行くたびにテンションが上がります。「先生と仲良くできそう!」というのも、もちろん嬉しいことですね。(先生は、「本質」に繋がる部分なので大切ですが、「仲良し・優しい先生」というだけが良い教育者ではないためこれも見極めが難しいのですが、また別の機会に!)
学校なら、「制服がかわいい!」というのだってモチベーションになります。中身が伴っていれば、その上に沢山、ワクワクやウキウキが乗っている方が良いに決まってます。
インターナショナルスクールを選ぶ際や、お教室を選ぶ際に少しでも参考となれば幸いです。
【グローバルリーダーの育て方】は、100%英語環境の保育園やアフタースクールを経営する女性社長・龍芳乃さんが、子供が世界で通じる「人間力」「国際競争力」をどう養っていくべきかを説く連載コラムです。アーカイブはこちら